2016年9月30日金曜日

10月の予定














早いものであっという間に10月です。
ついこの間まで8月の湯布院にいたのに…
東京は時間の流れが速いのでしょうか?

というのは冗談で、やることやりたいことがたくさんありますからね。
いいことです。
それに前よりいいペースで仕事ができるようになりました。


さて10月ですが、体育の日がありますので

9日(日)
10日(月祝) 11時〜18時 特別営業
11日(火)  臨時休業

となります。
その他は通常通りの営業です。


芋けんぴは10/1より「黄金千貫」が登場します。
デンプンや芋焼酎の原料に使われ、市販されている芋けんぴもほぼこの品種が使われています。
ザクッと噛める食べやすい食感ですが、当店では少し太めにカットして食べ応えを出しています。それでも芋けんぴらしい芋けんぴになっています。
甜菜グラニュー糖と赤糖を使って、さっぱりとした甘さです。
ぜひ他の芋との違いを食べ比べてみてください。

そろそろ秋晴れの空を眺めたいですね。
では10月もよろしくお願いいたします。



2016年9月27日火曜日

通常営業開始




本日より久しぶりの通常通りの朝営業が始まりました。

すっかり陽が昇るのも遅くなって、お店に向かう時間はまだ真っ暗。
なんとなく、去年の始まったばかりの頃を思い出します。


いつもの惣菜セット、みそ汁、だし巻き玉子。
おにぎりは期間限定の大分名物の「とり天」は今週いっぱい。
湯布院産原木しいたけを使った「しいたけ山椒」はなくなり次第終了です。
そして秋の味覚「玄米栗ごはんおにぎり」もやってます。
これはある日とない日がありますのでご注意ください。


玄米で使っている茨城県産ミルキークイーンは「新米」になりました!
なんだか去年よりも大粒になったようで、見るからにツヤツヤ。
そのままでも美味しいのでぜひどうぞ。

それでは今週もよろしくお願いいたします。

2016年9月21日水曜日

大津町のからいも



夏期休業中、大分湯布院から熊本方面に向かいました。
熊本地震がきっかけで知ることになった、さつまいもの産地、熊本。
特に生産量が多いのは、震源にほど近い西原村、大津町でした。

熊本に行く前、特にツテもアテもなかったけど、なんとか農家さんに連絡をとれてお会いできることになりました。

大津町の中無田さん。
大津町のさつまいも栽培が始まった平川地区で代々芋農家をされている方です。
この地区は平川という川があるんだけど、水量は多くなく稲作には適さない土地だったそう。
そこで始まったさつまいも栽培。
さつまいもには適した土だったようで、育てる農家さんが増えていき、今ではからいもフェスティバルなんて開かれるほどに。こちら毎年人気なんだそう。

ちなみに九州の方は、「さつまいも」じゃなく「からいも」と呼びます。
本州からみると「薩摩」から来た芋だけど、九州は「唐(中国)」から来た芋なので「からいも」。
芋が伝わってきた歴史と、その土地の人の親しみのある距離感を感じられて、いいなあと思います。


さて中無田さんにお会いして、最初に連れて行ってもらったのはからいも畑と芋を保管する貯蔵庫。




大津町のからいも栽培の特徴は、この貯蔵庫。
コンクリート製で土に埋まるように作られた貯蔵庫は、一年を通して保管に適した温度湿度を保ちます。

しかしここも熊本地震で大きな被害を受けており、ひとつはこれから修復作業に入るところでした。


ここで栽培されている品種は「高系(こうけい)14号」という昔からある品種。
ホクホクとした栗のような食感で人気となり、全国各地で作られています。
「鳴門金時」や「五郎島金時」「大栄愛娘」はこの品種を、さらに選抜してブランド化したものです。
大津町でも「ほりだしくん」というブランドがあります。

しかし近年では、ホクホクよりもしっとりとした食感の方が人気があり、「紅はるか」や「シルクスイート」の栽培が増えているそうです。
しかもこの新しい品種の方が栽培や保管にも優れているということで、高系14号はどんどん姿を消しています。
それもなんだか寂しい話です。
芋けんぴにはホクホクの方が向いていますし、なんとか作り続けてもらいたいです。




そして次は、出荷作業をしている場所に。
きれいに洗ったからいもを、中無田さんのご両親がひとつひとつ丁寧にひげ根を落としていました。
「食べる人がよろこんでもらえる、丁寧な仕事がしたい。」
そんなふうに話してくれました。
からいも農家さんは、規模の大きい取引になりやすいので、こうした考えを持った方はとても信頼できると感じました。



最後に道の駅に連れて行ってもらい、熊本名物の「いきなり団子」と「いも天」を食べました。
いきなり団子は知っていましたが、いも天は初めて食べました。
あのうどんと一緒に食べたりする芋のてんぷらでしょ?と思いましたが、ちょっと違います。
衣自体に塩味や甘みがついていたりして、熊本の方にとっては昔ながらのおやつ的な存在のようです。


そんなわけで熊本大津町のからいもを仕入れることができました。
本日より芋けんぴとして店頭に並びます。
味は高系14号のすっきりとした甘みに合うよう黒糖を使いました。
ぜひ食べてみてください。

2016年9月17日土曜日

理系と文系















大分、熊本の旅、締めくくりの地は熊本県西原村にある「株式会社 生科研」さん。
農業における土壌分析を行い、バランスのとれた健全な土づくりを診断、指導してくれる会社です。

農業のことは全く知識がありません。
ただ農家さんは本当にすごいと思います。
自然を相手に草取りから害虫対策、先の読めない気象条件、そして試行錯誤もそんなに回数を重ねらるわけでもない。
そんな中でよりよいものを育ててくれている農家さんには、感謝の想いが絶えません。


農業にもいろんな考え方があると思います。
生科研さんの中嶋農法という技術は、土の状態、作物の状態を正しく知って、適切にコントロールしましょうというものです。
正しく知るというのは、数値化するということです。
見学させてもらった施設には、いろんな分析をする機械が並んでいました。
白衣を着た方が、試験管やシャーレを手に取り、まさに理系の絵。

その後、スライドでいろいろと説明していただきましたが、印象に残ったのは有機栽培との違いの話です。
有機栽培というとなぜかいいイメージがありますが、そういうわけでもありません。
土の状態を分析したら、ある栄養だけに偏っていたり、足りない栄養が多かったりすることもあるそうです。
もちろんその辺りも把握して、有機栽培されている方もいると思います。
なんとなく、のような感覚だけじゃ駄目なんですね。



ぼくが芋けんぴを作り始めた頃、なんとなくの感覚だけで作り続けて失敗ばかりでした。
ある時から油の温度、芋の重さを測り始めて、それから仕上がりをコントロールできるようになってきました。
その時から、理系と文系は分けて考えちゃ駄目だなと実感しました。

今はあんまり理系と文系という言葉は聞かなくなった気もします。
いいことですね。
ただ時々、これは理屈で考えすぎてないか?感覚で考えすぎてないか?と自問自答しています。
バランスが、大事。




2016年9月7日水曜日

再始動
















湯布院最後の休日。

少し遠くまで歩き、樹齢1,000年を超える大杉を見てから温泉に。
温泉はやっぱりいいですね。
ゆっくり湯に浸かっていると、最初はあれこれ考え事をしているけど、だんだんなんにも考えなくなります。
何もしないってことが、こんなにもぜいたくなことなんだなと感じるひと時です。


さて、加藤けんぴ店再開のお知らせです。
ずっとのんびりできないし、それはそれで退屈ですね。
おにぎりと芋けんぴ、自分のなかで作りたいし食べたい気持ちが強くなってきました。


18日(日) 12:00〜18:00 ※芋けんぴのみの販売
19日(月) 12:00〜18:00 ※芋けんぴのみの販売
20日(火) 12:00〜18:00 
21日(水) 12:00〜18:00

22日(木) 11:00〜15:00 武蔵国分寺公園イベント ※雨天中止

23日(金) 臨時休業

24日(土) 11:00〜18:00 通常営業
25日(日) 11:00〜18:00 特別営業

26日(月) 定休日

27日(火)〜 7:00〜10:00/12:00〜17:00 通常営業



18日から再始動です。
最初は営業時間、メニューも通常と異なりますのでお気をつけ下さい。

22日の秋分の日は、3月にも参加させていただいた、武蔵国分寺公園でのイベントに参加します。公園でピクニック気分で、おにぎりと芋けんぴをお召し上がりいただけます。

芋けんぴは新芋の季節です。
新芋ならではの風味の良さと食感の軽さを楽しめます。
ぜひ食べてみてもらいたいです。

それではみなさんにお会いできるのを楽しみにしています。


2016年9月3日土曜日

日常















湯布院に来て一ヶ月が経ちました。

まだ青かった稲穂も黄色く色づいて、収穫の時をまっています。
子供の頃によく見た懐かしい景色です。
でも大人になって改めて見ると、美しい景色だなあと立ち止まって見ていました。

こちらでの生活にも慣れてきて、東京での目まぐるしさを忘れそうになっています。
でもそれもそろそろ終わり。
この後熊本に立ち寄り、そしてまた加藤けんぴ店での日々が始まります。


毎日の暮らし。日常。
中学生くらいまでの僕は、そういうものにうんざりしていました。
同じような毎日を繰り返し、この先も通る道は決められている。
そんな風に思っていました。
でも高校生あたりから、これはどうやらそういうものではないぞと気付きました。
以来安定とはほど遠い日々を送ってきています。

「暮らし」や「日常」という言葉は、今すこし美化されすぎている気がします。
同じような日々のくり返しでも、考えひとつで見えてくる景色が変わる。
意志ひとつで大きく変えることもできる。
そして自分の意志に関わらず、大きく変えさせられてしまうこともある。
そういうことと隣り合わせなのが、僕たちの普段の生活なんじゃないかと思っています。

まあそんな考え関係なく、普段の日々を楽しんでる方たちはたくさんいます。
大事なのは外からのイメージに惑わされることなく、自分の気持ちに素直になることですね。
どうにも、これが美しい幸せな日常だっていうイメージが出回りすぎてる気がしてね。


ここでひとつ発表。
加藤けんぴ店の再開は、9/18(日)の予定です。
数日間は芋けんぴだけの販売です。
詳細はまた後日に。