2015年12月13日日曜日

ごはんを炊く















加藤けんぴ店ではごはんを、昔ながらの鉄の羽釜や、たまに小さな鉄のごはん鍋で炊いて、
おにぎりにしています。

今から7年前までの3年間おにぎり屋に勤めていて、そこで鉄の羽釜でご飯を炊く方法を教わりました。
でもひねくれものの僕は、羽釜で炊いたからっておいしいとはかぎらない!とか考えて、電器店で炊飯器のカタログとかみてましたね。
そこには真空で炊く!とか、釜をなんたらコーティング!とか、蒸気をコントロールしてうまみを逃がさない!とか書いてあって、日本の技術すげー!ってなってました。
でもそういう炊飯器は10数万円とかして、手が出せませんでした。

そのうち、家にあった安い炊飯器は捨てて、小さな鉄のごはん鍋で炊くようになりました。
というのも、おにぎり屋でごはんは炊いていたのですが、おにぎりを握る人は別で、炊き上がりがいまいちピンとこなかったのです。
良い悪いは教えてもらうのですが、どう良いか悪いかは実感としてつかめず、もっと感覚を掴みたいと思って、家でも自分で炊くことにしました。


そして今に至り、自分のお店を持ち、おにぎりをお客さんに出すようになりました。

炊飯器と比べておいしいのかは正直わからないんだけど、一番大事なのは「炊き上がりを自分でコントロールできること」だと思います。

米の状態、浸水時間、水の量、火の入れ方、蒸らし方、、いろいろと調整できるところは多く、結構炊き上がりに違いが出ます。
おいしいおにぎりにできるかどうかは、実のところおいしいごはんが炊けるか、なんじゃないかなあ。

加藤けんぴ店のおにぎりで、特に気を使っているのは「時間が経ってもおいしい」ということです。
なので少し固め、というか粘りを抑えるように意識しています。
粘りがあると冷えた時にくっついて、重い感じになります。
そこは好みなんですが、僕はあんまり好きじゃないんですよね。
口に入れた時、ごはんがほろっとほどけて一粒一粒噛みしめる、そんなイメージです。

冷めてもおいしく食べられますが、もちろん温め直してもおいしいです。
嫌ってる人もいますが、電子レンジで温めてもいいと思います。
注意したいのは温めすぎ。海苔が溶けちゃいます。
レンジにもよりますが、600Wで30秒くらいかな。
海苔が付いていない玄米や炊き込みごはんは、せいろで5分くらい蒸せば温まります。
お好みでおいしい食べ方をみつけてみてください。


日本人が昔から食べてきたごはん。
炊飯器のない時代は下働きの方のなかに、ごはん炊き名人と呼ばれる人がいたそうですよ。
僕は試行錯誤中なので、まだまだ名人ではありませんが、おいしいごはんが炊けるよう日々取り組んでいます。

ごはんを炊くって、おもしろいですね。


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