2016年5月17日火曜日

新茶とおにぎりと甘いもの

ちょうど10年前。












大阪で家具デザインの専門学校を出て、学習机を作る会社に勤めていました。
でも新社会人で生意気だったのかもしれませんが、どうにも仕事や毎日の生活に手応えを感じられないでいました。

自分がやりたいことはなんなのか。
なにかおもしろいことはないかな?
そんなことを考える毎日でした。

これは願望なのかもしれませんが、おもしろいものって気付いてないだけできっと身近にもあるはずと思っていました。
デザインが気に入っていた土瓶があったので、じゃあお茶でも飲むかと日本茶を買いにいったのです。

フツーの近所にあったイオンに入っている『小原春香園茶舗』さんに行きました。
全然期待もせずに、どんなものがあるんだろうってくらいの気持ちで。












なんとなく並んでいる商品を見ていると、
「まあ一杯飲んでいきなさい。」
と店主の小原さんに言われました。
一杯いただくと、
「こんなのもある。」
ともう一杯。そして、
「アイス食べる?」
となぜか抹茶ソフトクリームまでいただいてしまいました。

そんな感じでどんどんお茶をいただきながら、小原さんの日本茶トークは過熱していきました。

そして何度か通っていたある日。
その日も珍しいお茶を飲ませていただいて、
「味わかるか?」
僕が「うーん…」と言っていたら、

「わかられても困る。わかるには10年早いわ。」


ええええええっーって思ったけど、確かにそうだよなあと妙に納得してしまいました。


かなり衝撃な言葉で、人によっては怒りだすかもしれません。
でも今思うと、僕にとってはその時一番聞きたかった言葉なんだったんじゃないかなあ。
だって、身近なものが10年かからないとわからない、奥深いおもしろいものだって言ってくれたのですから。

その言葉のおかげで、今の道を選んだとも言えます。
まさか近所のイオンでそんな出会いがあるとは思ってなかったですけど。




10年経った今。
日本茶はたまーに楽しむ程度なんで、相変わらず味はわからないのですけど。
しかしまた日本茶に関わる出会いがありました。
それが今回協力していただく、日本茶インストラクターの柿沼さんです。
三軒茶屋にあったtocoro cafeで知り合い、そのtocoro cafeさんの後押しもあり日本茶ワークショップを開催しました。
そして僕も日本茶に合わせるお菓子として、芋けんぴで参加させていただきました。
柿沼さんも小原さんと同じくかなり熱い方で、その知識と探究心にはいつも感服しています。


出会いがあり、そして相応の時間を経て、この度加藤けんぴ店で最初に企画するイベントとして、新茶を楽しむ機会を設けました。

合わせるのは、おにぎり。そして甘いものも。
題して、『加藤けんぴ展「新茶とおにぎりと甘いもの」』です。そのまんまですね。

以下詳細です。



加藤けんぴ展「新茶とおにぎりと甘いもの」
5/29(日) 11:00~17:00

●おにぎりセット
お好きなおにぎり2個+雁金茶の冷茶・・・600円
              or新茶・・・700円(氷は+50円)

●柏餅セット
柏餅(プレーンこしあんorよもぎつぶあん)+雁金茶の冷茶・・・400円
                         or新茶・・・500円(氷は+50円)

おにぎりの種類は定番の「油揚げおかか、昆布、鮭、特製ツナマヨ、梅干し、鶏そぼろ、たらこ、玄米塩にぎり」より選べます。

・今回はセットでの提供とさせていただきます。
・おにぎり、柏餅は追加のみ単品での購入可能です。
・お取り置き予約を承ります。方法は最後に記載しますのでご確認ください。

では日本茶インストラクターの柿沼さんより、新茶の解説を。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今年の新茶は、新茶らしい蒼い香りは柔らかめですが、味にとても深みがあります。
心地よい甘みと肌理(キメ)の細かい清々しい渋み、ノドの奥を駆け抜ける蒼い風のような香りをお楽しみいただけると思います。

セットの新茶メニューの解説です。どれも加藤さんのおにぎり、柏餅とのマリアージュをご堪能いただけるよう、セレクトしています。

セットの新茶は、常設の2種類プラス2~3種類を入れ替えて出しているので、そこから1種類お選びください。簡単に新茶のご紹介を。

常設の新茶は、加藤さんが食に目覚めるきっかけとなった、大阪の小原春香園さんの新茶です。静岡県の本山(ほんやま)産、鹿児島県の知覧産の2種類で、どちらも個性ある味わいのお茶です(詳細は後ほど続報にて)。

数量限定、入れ替えの新茶も一部ご紹介。

①今年静岡で一番最初に摘まれた、丸子(まりこ)という地域の新茶
(手間のかかる露地栽培ものの手摘みの新茶)

②静岡茶発祥の地、足久保地区(山あい)の新茶

③新進気鋭の若き名人が育てた有機栽培の静岡県山間部の新茶

もし、複数飲んでみたい! という奇特な方!?がいらっしゃいましたら、当日ご相談ください(またはお取り置きメールでコメント頂けると助かります)。


さらに稀少で珍しい新茶と、加藤さんの"けんぴのモト"のマリアージュをご提供します。
こちらは喫茶限定メニューとして2種類ご用意。3種類の淹れ方で楽しんでいただきます(詳細は後ほど続報にて)。

①"まちこ"の新茶(大走り)
    500円(+氷で50円増し)
"まちこ"と言っても、まちこさんが作ったわけではありません(笑)
お茶葉自体が桜餅の香りがする、"さくらかおり"という稀少品種の新茶です。静岡県の清水で作られ売られているものに、まちこという名が付けられています。
桜餅の甘い香りの中に、新茶特有の蒼い香りが爽やかにたなびく心地よさをお楽しみください。

②"清明"節の新茶
    800円(+氷で50円増し)
"清明"と言っても、陰陽師が作ったお茶ではありません(って"節"ってあるから気づきますよね 笑)
二十四節季のひとつ「清明節(せいめいせつ  毎年4/4~4/5)」頃に手摘みされた新茶のためこの名が付けられています。
静岡で最も"匠"な茶作り名人の一番弟子(跡取り)による珠玉の逸品。
一切ブレンド無し。名人の単一畑(ほぼ単一品種)から手摘みして作られた稀少な新茶です。
口に含めば、その透明感のある澄みきった味わいの向こうに、このお茶が育ってきた壮観な山あいの茶畑が浮かび、蒼い風に包まれるような心地がします。至福の"時間旅行"をご堪能ください。

*****

新茶以外のお茶として、小原春香園さんの雁金茶の冷茶をご用意しました。
雁金茶(かりがねちゃ)とは、玉露やかぶせ茶、高級煎茶の茎の部分だけを集めたお茶の事です。
茎茶は実は、お茶の葉の部分よりも糖質が多く、甘やかな味わいのお茶になります。熱湯で淹れても軽やかで柔らかい甘さを楽しめるので、毎食中にお茶を飲む習慣のある静岡や、お茶通の人々が良く好んで飲んで飲むお茶です。

今回は、暑くなり始めた今の時期にぴったりの冷茶で楽しみいただきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーー




そして今回、楽しみにしてきたのにおにぎりや柏餅が売り切れてた、という事態はとても心苦しいですのでお取り置き予約を承ります。
以下の内容をメールかお電話にてご連絡ください。

1、お名前(フルネーム)
2、連絡先電話番号
3、セットのおにぎりの種類(定番の具材から) か 柏餅の種類(プレーンかよもぎ)
4、セットのお茶の種類(雁金茶の冷茶か新茶(希望があれば種類も))

メールは、 info@kato-kenpi.com
お電話は、 042-312-2370     まで。



長くなりましたが、最後にもうひとつ。

本番は29日(日)ですが、今週22日(日)にプレイベントも行います。
11時よりなくなり次第終了です。
この日はおにぎりと雁金の冷茶、小原春香園茶舗の新茶をお召し上がりいただけます。
近くでこの地域のお祭りもありますし、どんな感じなのか気になった方はぜひ気軽にお立ち寄りください。

ではみなさまと日本茶の魅力を感じられる、いい時間を過ごせるよう頑張りたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

0 件のコメント:

コメントを投稿