2016年6月11日土曜日

おひつごはんで…










お店を開店してから初めて使いだした「おひつ」。

8ヶ月目になって多少黒ずみやタガが緩んできたりもしたけど、加藤けんぴ店のおにぎりにはなくてはならない道具です。


おひつの良さはなんといっても、炊き上がったご飯を保存するのに一番いい方法であることだと思います。
いつの頃からかご飯は保温するのが当たり前になっていたんだけど、ご飯にとって保温は炊き上がった状態からさらに熱を加えるので、どうしても劣化していきます。
確かに温かいご飯の方が、食べやすくておいしく感じるのですけどね。
前に勤めていたおにぎり屋で、初めて握りたての温かいおにぎりを食べた時は感動したものです。


そんなわけで僕も永らくご飯は温かいものと思っていたのですが、ある時に『司製樽』の原田さんいう桶やおひつを作っている職人さんにお会いしてから、おひつに興味が湧いてきました。

考えてみれば昔の人はみんなおひつを使っていたわけで、ご飯といえばほとんどが冷めたご飯だったのです。
いつでも温かいご飯が食べられるようになったとはいえ、温かくても美味しくなくなったご飯を食べた経験は誰しもがあるんじゃないでしょうか。

そして加藤けんぴ店という作り置きのおにぎりを出す店には、ご飯をおひつに移してから握るのが一番だという結論に至りました。


それでも始めた頃はまだ、冷めたご飯に対する負い目も少しありました。
しかしご飯の炊き方、おひつに移して握り始めるタイミング、おにぎりにしてからの保存の仕方、おひつの洗い方、乾燥の仕方など。
ひとつひとつ納得のいくやり方がみつかっていき、このおにぎりは全く別の価値をもっているものだと自信を持てるようになりました。


おひつごはんで、おにぎり。


さてここまでは前置きで、明日からこのおにぎりの新しい食べ方が登場します。

それが「冷やしだし茶漬けおにぎり」。











お好きなおにぎりに、かつおぶしと昆布でしっかりとった出汁をかけてお召し上がりいただけます。小鉢と漬物付き。

このだし茶漬けの一番のポイントは、冷めたおひつごはんのおにぎりに冷たい出汁をかけるところです。

つまりどういうことかって?

ぜひ食べて味わってみてください。


明日6/12(日)は特別営業で、11:00〜17:00で営業します。



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